ほったらかしで利益?スワップポイント狙いFXのメリットと注意点とは?

「毎日ほったらかしで利益が積み上がる」――そんな夢のような投資法として注目されるのが、FXのスワップポイント狙いです。

高金利通貨を保有しているだけで金利差から利益が得られるため、忙しい人でも取り組みやすいと人気があります。

しかし、スワップは確かに魅力的ですが、為替の値動きやリスク管理を無視してしまうと、思わぬ損失につながることもあるので注意が必要です。

この記事では、スワップポイント投資のメリットと注意点をわかりやすく解説します。

そもそもスワップポイントって何?

スワップポイントとは、取引した通貨を保有したまま維持することで利益が得られる仕組みを指します。頻繁に売買せずとも利益が得られるので初心者の方に取り組みやすい投資方法です。

たとえば、米ドルの金利を4%、日本円の金利を1%とした場合、3%(4%-1%)の金利差が生じます。そこで米ドルを買って円を売る取引を行えば、3%分のスワップポイントを受け取ることができます。

高金利通貨低金利通貨金利差
米ドル(4%)日本円(1%)3%

このように通貨ペアの金利差が大きければ、その分スワップポイントも大きくなるため、スワップポイントを重視する際は、通貨ペアごとの金利差に注目していきましょう。

スワップポイントの仕組み

売買する際は、買った通貨の利子を受け取り、売った通貨の利子を支払う仕組みです。スワップポイントで得られる利益は大きくありませんが、取引した通貨のポジションを持っていれば、毎日スワップポイントを受け取ることができます。

スワップポイントが発生するタイミング

スワップポイントは、保有ポジションをオーバーナイト(ポジションを翌日まで持ち越す)しなければ発生しません。スキャルピングやデイトレードのように、その日のうちに決済する場合はスワップポイントが付与されない点に注意してください。

一般的には、ニューヨーク市場がクローズする時間をまたいでポジションを保有すればスワップポイントが付与されます。また、付与されるスワップポイントの量は日によって異なり、土日や祝日をまたぐ関係で3日分まとめて付与されることもあります。

詳細は各自のFX会社のルールやカレンダーを確認してくださいね。

スワップポイントのメリット

スワップポイントのメリットは、金利差がプラスであればポジションを持っているだけでほぼ毎日利益を得られることです。

FXといえば毎日チャートを見て取引をするというイメージを持っている方も多いかもしれませんが、スワップポイントの場合、金利差がプラスのままであれば頻繁に売買を行わなくても継続的に口座に利益を蓄積していくことができます。

スワップポイント狙いの注意点

スワップポイントの注意点は以下の2つがあります。

スワップポイントがマイナスになる場合がある
スワップポイントの利益は課税対象になる

スワップポイントはメリットばかりではありません。運用の仕方によっては損失になる場合もあるため、取引する前に注意点を確認しておきましょう。

スワップポイントがマイナスになる場合がある 

まずは、スワップポイントがマイナスになる場合がある点です。高い金利の通貨を買い、低い通貨を売った場合はプラスになりますが、逆に低い金利の通貨を買い、高い金利の通貨を売った場合は金利差がマイナスとなり、その差額分を支払わなければいけません。

短期の取引であれば損失を小さく抑えられますが、長期で運用する場合は損失が大きくなります。マイナスのスワップポイントを避けるには、スワップポイントがマイナスになる通貨の取引を行わないことです。

各FX会社では通貨別や日別のスワップポイントのカレンダーを公表しており、マイナスになる取引にはスワップポイントにマイナスが表示されています。

そのため、取引前にスワップポイントがマイナスにならないか確認するといいでしょう。

スワップポイントでの利益は課税対象になる 

次に、スワップポイントで得た利益が課税対象になる点です。個人と法人で課税となるタイミングは異なりますが、個人の場合は保有ポジションを決済してスワップポイントを受け取った時点です。

ただし、未決済でもスワップポイントを出金できるFX会社もあります。その場合は出金したスワップポイントは課税対象となります。

課税の区分は大きく分けて総合課税分離課税の2つです。FXで発生した利益は雑所得として扱われ、申告分離課税が適用されます。総合課税は各種所得額を合計して税金を計算し、分離課税はほかの所得とは合算せず別に税金を計算します。

FXでは利益の20.315%を税金として支払わなければなりません。給与所得以外にFXや副業などで年間20万円を超える収入があれば確定申告が必要です。もし、20万円以下であっても住民税の申告が必要になります。

税金周りの情報はしっかりと確認しておくことが大事になってきます。

必要保証金の確認を忘れない

必要保証金の確認はこまめにしましょう。メキシコペソやトルコリラなどの新興国通貨は為替変動リスクが比較的高く、急な暴落でロスカットされる可能性もあります。もちろんロスカットにより損失の拡大を防ぐことはできますが、意図しない決済となり思い通りの取引ができなくなってしまうこともあります。

長期でスワップポイントを狙うのであれば余裕を持った必要保証金を意識しておきましょう。

スワップポイントを上手く運用するコツ

スワップポイントは手軽に始められますが、初めから順調に利益を出せる方は多くありません。ただ運用のポイントを押さえて取り組むことで利益を出しやすくなっていきます。

スワップポイントを運用する際には次の2つの点に注意しましょう。

スワップポイントが高い通貨ペアにする

倍率を高くしすぎない 

それでは、詳しく解説していきます。

スワップポイントが高い通貨ペアにする 

高い利益を得るためには、スワップポイントが高い取引を選ぶことが重要になります。

高金利の通貨は、南アフリカランドメキシコペソトルコリラなどの新興国通貨が挙げられます。

これらの高金利通貨と、日本円のような低金利通貨を対象とした取引を行えば、スワップポイントが高くなり高い利益が期待できます。

しかし、新興国通貨は通貨自体の価格が安定しない傾向にあり、急落する恐れがあるため、各国の経済情勢や価格推移のこまめなチェックが必要です。

よく取引が行われている米ドル/ユーロ/円のスワップポイントでは、通貨の価値は安定しているので先進国の通貨ペアを選ぶのがおすすめです、。

倍率を高くしすぎない 

FXには担保となる証拠金の何倍もの金額で取引できるレバレッジという仕組みがあります。例えば、レバレッジが10倍であれば、10万円の証拠金で100万円の取引ができます。

このように、レバレッジは少ない資金でも大きな取引ができるのがメリットです。

その反面、損失も大きくなるといったデメリットもあります。

また、FXは一定の損失が出た場合に、強制的に保有ポジションが決済される仕組み(ロスカット)が設けられています。レバレッジが高いほどロスカットされる可能性が高くなるため、長期的にスワップポイントを受け取りたい場合は、低いレバレッジで行うことが重要です。

レバレッジについてはこちらの記事をご覧ください

まとめ

スワップポイントは、FX初心者でも理解しやすく、長期的な資産形成を目指すうえで魅力的な仕組みです。

ただし、為替変動リスクやスワップ縮小の可能性など、注意点を見落としてしまうと利益どころか損失を抱えてしまうこともあります。

重要なのは「スワップ=確実な利益」ではなく、「リスクとセットの利益」であると理解することです。

メリットとリスクをしっかり把握し、自分の資金力や投資スタイルに合った運用を心がけましょう。

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