2022年から円は150円台を突破するようになりました。
2023年から2025年にかけても、米国の金利動向や日本の金融政策によって、再び150円以上になっています。
「ドル円150円」と聞くと、多くの個人トレーダーは「危険」「乱高下しそう」「もう遅いのでは?」と不安を感じるはずです。
しかし、実際には戦い方を工夫すれば、こうした局面でも大きなチャンスをつかむことができます。
この記事では、ドル円150円突破が意味することや注意点、さらに個人トレーダーがどう戦うべきかを詳しく解説していきます。
ドル円150円突破が意味すること
ドル円が150円を超えるということは、円安が極端に進行していることを意味します。その背景には以下のような要因があります。
米国の利上げによる金利差拡大
日本銀行の低金利政策の継続
世界的なリスク回避や資金のドル回帰
貿易収支や原油価格の上昇による円売り圧力
過去の為替市場を振り返ると、150円付近は政府・日銀による「為替介入」が意識されやすい水準です。
実際に、2022年には145円~152円付近で日本政府が大規模なドル売り円買い介入を行いました。そのため、150円突破は「一方的な円安が加速するか、それとも政府がストップをかけるか」という分岐点になるのです。
ドル円150円突破は危険?
150円突破の相場には、個人トレーダーにとっていくつかの危険性があります。
それは以下のようなものが挙げられます。
上記のようなものを注意しなければなりません。
個人トレーダーの戦い方
短期トレードで機敏に動く
150円突破後の相場は、数時間~数日のスパンで上下に激しく動くことが多いです。スキャルピングやデイトレードのように短期で利確を重ねる方がリスクを抑えられます。特に米国の経済指標(雇用統計、CPI、FOMC発表など)の前後は絶好のチャンスでもあり、同時にリスクも最大化します。
ポジションを小さくする
ボラティリティが大きい局面では、通常よりもポジションサイズを落とすことが鉄則です。証拠金ギリギリの大きなロットで挑むと、一瞬の逆行で強制ロスカットを食らってしまいます。安全を優先するなら、いつもの半分以下に抑えるのがおすすめです。
分散エントリーを意識する
「150円を超えたら売る」「介入が来そうだから買わない」といった一点狙いは危険です。分割してエントリーし、リスクを分散させましょう。例えば、149円・150円・151円と少しずつポジションを積み上げれば、一方向に偏るリスクを避けられます。
ファンダメンタルズを無視しない
150円突破はファンダメンタルズ主導の動きが強い局面です。米金利の動向や日銀の政策変更の可能性をニュースでチェックし、テクニカル分析だけに頼らない戦略が必要です。とくに「日銀の緊急会見」や「米国の金利見通し」が出たときは相場が大きく動くため、必ず把握しておきましょう。
逆張りは慎重に
「150円だから下がるはず」という思い込みは危険です。トレンドが続けば152円や155円を目指すシナリオも十分にあり得ます。逆張りする場合は損切りラインを明確に決め、耐えられる損失幅の範囲でだけ勝負するのが鉄則です。
ドル円150円突破後のシナリオ
実際に150円を突破した後、相場はどう動く可能性があるのでしょうか。大きく分けて2つのシナリオが考えられます。
このように150円を突破したあとの動きには、いくつかの可能性が考えられます。
一方向に進むのではなく、シナリオごとに分岐するため、あらかじめ複数の展開を想定しておくことが大切です。
そうすることで、急変動の中でも慌てずに冷静なトレード判断を下すことができるでしょう。
個人FXトレーダーがどうすればよいのか?
ドル円150円突破という大きな節目に直面したとき、個人トレーダーは感情に流されやすくなります。
「今がチャンスだ」と大きな勝負に出る人もいれば、「危険だから逆張りだ」と焦って売りを仕掛ける人もいます。
しかし、長く生き残るためには冷静に戦略を立て、リスクを管理しながら相場と向き合うことが何より重要です。
特に150円突破後の局面は「一瞬で稼げるチャンス」でもあり「一瞬で資金を失うリスク」でもあります。冷静さを失わず、資金管理を徹底することが成功のカギになります。
まとめ
ドル円150円突破は、一見すると「危険すぎて手を出せない」と思う人も多いでしょう。しかし、戦い方を工夫すれば大きなチャンスにもなり得ます。
個人のFXトレーダーが勝ち残るためには、「守りながら攻める姿勢」が欠かせません。150円の壁は、恐れるべきポイントであると同時に、大きな利益をつかむチャンスの局面でもあるのです。