ビットコインとFXの相場は関係ある?値動きの仕組みと相関関係を徹底解説

「ビットコインとFXって関係あるの?」

そんな疑問を持つ人は少なくありません。

どちらも価格変動を利用して利益を狙う投資対象ですが、通貨の仕組みや市場の性質は大きく異なります。

しかし近年では、世界経済の動きや投資家心理が影響し、ビットコインと為替相場が連動する場面も増えてきました。

特に、リスクオン・リスクオフの流れや米ドルの強弱、金利動向などは両市場に共通して作用します。

本記事では、ビットコインとFX(外国為替市場)の関係を、初心者にもわかりやすく解説していきます。

そもそもFXとビットコインは何が違うのか?

まずは、ビットコインとFX(外国為替取引)の違いを理解しましょう。
どちらも「通貨の売買」ですが、根本的な性質は異なります。

ビットコインとFXの主な違い

  • 取引対象
    • FX → 各国の法定通貨(ドル、円、ユーロなど)
    • ビットコイン → 仮想通貨(デジタル資産)
  • 市場の仕組み
    • FX → 各国政府・中央銀行が関与
    • ビットコイン → 管理者がいない分散型ネットワーク
  • 価格変動の要因
    • FX → 経済指標、金利政策、地政学リスクなど
    • ビットコイン → 需要と供給、規制、投資家心理、マクロ経済など
  • 取引時間
    • FX → 平日24時間
    • ビットコイン → 365日24時間(年中無休)

このように、FXは国家が関与する通貨市場である一方、ビットコインは非中央集権的な資産です。

しかし、どちらの市場も「投資家がリスクを取るか避けるか」という心理に大きく影響されるため、相関関係が見られる場面があります。

つまり、仕組みは違っても「市場全体のリスク意識」が似た動きを作るのです。

ビットコインとFXの相関関係とは?

では、実際にビットコインとFX相場にはどのような関係があるのでしょうか?
相関関係を考える上で、注目すべきはドル(USD)の動きです。

ビットコインとFXの代表的な相関関係

ドル安 → ビットコイン高になりやすい
米ドルが弱くなると、代替資産としてビットコインが買われやすくなります。
これは「通貨価値が下がるなら、法定通貨以外に資産を逃がそう」という投資家心理が働くためです。

ドル高 → ビットコイン安になりやすい
ドルの金利が上昇すると、安全資産としてドルが買われ、ビットコインから資金が流出します。

金(ゴールド)と似た値動きをすることがある
不安定な相場では、ビットコインが「デジタルゴールド」として扱われる傾向があります。

株価との連動性が高まる局面もある
リスクオン相場(株高)ではビットコインも買われ、リスクオフ(株安)では売られる傾向があります。

このように、ビットコインは通貨というよりも投資商品としてのドルとの関係で動くことが多いです。

特に2020年以降は、米国の金利動向・インフレ率・景気刺激策がビットコインのトレンドを決定づける要因になっています。

つまり、FXトレーダーにとってもビットコインの動向は、ドルの強弱を読むヒントになるのです。

なぜ相関が生まれるのか?共通する市場心理

「仕組みが違うのになぜ似た動きをするの?」
その答えは、投資家心理とマクロ経済の影響にあります。

共通する要因

  • リスクオン・リスクオフの流れ
    投資家がリスクを取る(リスクオン)ときは、ビットコインや新興国通貨が買われます。
    逆に、リスクを避ける(リスクオフ)ときは、安全資産(ドル・円・金)が選ばれます。
  • 米国の金利・金融政策
    FRB(米連邦準備制度)の金利引き上げは、ドル高とビットコイン安を同時に引き起こす傾向があります。
  • インフレ懸念
    物価上昇(インフレ)時には、「法定通貨の価値低下」を懸念して、ビットコインや金が買われる傾向があります。
  • 国際的な資金の流れ
    投資資金は常に世界を回っており、株・債券・為替・仮想通貨の間で資金移動が起きます。

このように、FXとビットコインは「異なるマーケット」でありながら、世界経済の潮流や投資家の心理に基づいて動く点では共通しています。

特に米ドルが世界の基軸通貨であるため、ビットコイン対ドル(BTCUSD)は、FX市場の動きを映す鏡のような存在でもあります。

実際のチャートに見る相関関係

理論だけでなく、実際の値動きを見ても一定の相関関係が確認されています。
たとえば、2020年〜2022年にかけては、以下のような傾向がありました。

代表的な相場事例

2020年:コロナショック直後
世界的なリスクオフが進み、株・ビットコイン・新興国通貨が一斉に下落。
その後、金融緩和でドル安が進むと、ビットコインが急上昇しました。

2021年:株高・ドル安期
米国のゼロ金利政策で資金がリスク資産に流れ、BTCUSDは過去最高値を更新。

2022年:インフレと利上げ期
FRBの急速な利上げによりドル高が進み、ビットコインは大幅下落。
同時にドル円(USDJPY)は円安が進行し、両市場の「ドル支配」が鮮明になりました。

このように、金利政策・ドル指数(DXY)・投資家心理の3つが、ビットコインとFX相場を結びつけています。

特に米国の動向を追うことで、両市場の方向感をつかみやすくなります。

トレーダーが意識すべきポイント

FXとビットコインの相関を理解すると、リスク分散取引タイミングの判断に役立ちます。
ただし、完全に同じ動きをするわけではない点にも注意が必要です。

トレードに活かすためのポイント

BTCUSDとドルインデックス(DXY)をセットで確認する
ビットコインがドルと逆相関の傾向を見せるため、ドルの強弱を見極める指標として有効です。

経済指標やFOMCの日程を把握する
米国の金利・インフレデータは、ビットコインにも直接的に影響します。

リスクオフ局面ではポジション縮小を意識する
戦争・金融不安・株急落などの局面では、ビットコインも急落する可能性があります。

異市場の動きを参考にエントリータイミングを取る
たとえば、株式市場が反発を見せたとき、ビットコインや新興国通貨の反発を狙う戦略も可能です。

このように、FXとビットコインを連動する複数の市場として見ることで、単一市場の偏りを避けた柔軟なトレード判断が可能になります。

特に、ドル中心の相場環境では、両方の市場を観察することが利益率向上につながることもあります。

初心者がFXをする上で守るべきルールについてはこちらの記事をご覧ください

FX初心者がよくやりがちな失敗行動と取引をする際に守るべき4つのルールとは? – ちょいトレFX

注意点

相関関係があるとはいえ、常に同じ方向に動くわけではありません。
市場のテーマが変わると、ビットコインとFXの連動が崩れることもあります。

相関が崩れる主なケース

仮想通貨固有のニュースや事件
取引所ハッキングや規制強化など、暗号資産業界特有のニュースで一時的に乖離します。

マーケット参加者の違い
FX市場は機関投資家中心、ビットコイン市場は個人投資家中心のため、反応速度が異なります。

極端なリスクオン/オフ環境
株式・為替・仮想通貨すべてが同方向に動く「パニック相場」では、一時的に関連性が消えることもあります。

したがって、トレード時は相関を絶対視しないことが重要です。

あくまで市場の参考材料の一つとして、ビットコインとFXの両方を観察する姿勢が求められます。

まとめ

ビットコインとFXは異なる市場ですが、米ドル・金利・投資家心理という共通要因を通じて相関関係を持っています。

特に、リスクオン・リスクオフの流れを意識することで、両市場の動きを俯瞰的に理解できます。

FXトレーダーにとってビットコインの動きは、ドルの方向感を探るヒントとなり、ビットコイントレーダーにとっても金利やドル指数は重要な判断材料です。

ただし、相関は常に一定ではないため、過信せずに複数の指標を組み合わせることが大切です。両市場を横断的に分析できるようになることが、次世代トレーダーの強みになるでしょう。

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