FX初心者がよくやりがちな失敗行動と取引をする際に守るべき4つのルールとは?

FXを始めたばかりの頃は、「もっと早く利益を出したい」「損を取り戻したい」という気持ちから、つい無理な取引をしてしまいがちです。

しかし焦りや感情に任せた行動は、資金をあっという間に減らしてしまう大きな原因になります。

多くの初心者が通る同じ失敗パターンを知っておけば、落とし穴を避けることが可能です。

この記事では、ありがちな失敗行動とそれを防ぐために守るべき4つのルールを解説。

「勝つ」ためではなく「負けない」ための基礎を見ていきましょう。

高レバレッジで取引する

FX初心者は短期的な利益を狙って、過剰なレバレッジ取引をしてしまいがちです。

レバレッジとはてこの原理のことで、FXにおけるレバレッジとは、少ない証拠金で大きな金額の取引ができる仕組みのことをいいます。

ただ、FXの取引経験が浅く、分析などが十分にできない状態で過剰なレバレッジをかけるのは失敗の原因になるので絶対にやめましょう。

もし、レバレッジを掛けて大成功したとしても分析をして成功要因がわからなければ、ただのギャンブルになるので継続的に利益を出すことはできません。

過剰なレバレッジは為替変動による損失を大きくする

例えば、米ドル/円の通貨ペアで1ドル150円のときに1万通貨の取引をしようとすると、本来150万円のお金が必要です。

しかし、国内のFX会社で設定できる最大のレバレッジである25倍に設定すると、わずか5万6,000円で140万円分の取引ができます。

仮に、米ドル/円の買いポジションで取引を始めた場合、1円円安になれば1万円の利益になる。5万6,000円の資金で1万円の利益が出れば、これは非常に効率のよい投資といえるだろう。

高いリターンが期待できるということはそれだけ損失のリスクも高いので、為替が円高にふれれば同等の損失が発生することになります。

さらに注意しなければならないのは、少額で取引ができるからといって、レバレッジを活用して保有するポジションを増やしすぎてしまうことです。

上記の例のように、たとえ5万6,000円で140万円分の取引ができるからといって、5ロット購入すると、1円円高になっただけで投資額「5万6,000円×5=28万円」に対して5万円の損失が発生することになる。

そのため、最初はレバレッジは1倍~5倍の範囲に抑えて取引することをおすすめします。

感情的になって取引する

FXでは平常心のキープが非常に重要です。

勝ちたい気持ちが焦りにつながったり、負ける恐怖に支配されたりすると適切な投資判断ができません。

感情に流されると損失が出ているポジションで損切りできずに、ずるずると損失を拡大させるような失敗をしがちです。

感情を上手くコントロールするには、事前にトレードのプランを立てて損切りや利益確定の水準を決める習慣をつけましょう。

また、ストレスを溜めないように心身のコンディションを整えるのも大切です。

FXの勉強を怠っている

FXは知識や経験を積み重ねて地道に続けていく投資のため、基本の勉強が欠かせません。

幸いにしてFXに取り組む人は多いため、FXの基本を学ぶ機会はたくさんあります。

以下のような方法でFXの基本を身につけるとよいでしょう。

書籍や動画でFXに関する情報を収集する

FXのセミナーに参加する

デモトレードで練習する

ただ、情報収集は重要な要素ですが情報に振り回される人は逆に損をしやすいので気を付けましょう。

FXについては、書籍やYouTubeなどにもさまざまな情報が提供されています。

しかし、そのすべての情報が正しいとはかぎりません。

情報の信ぴょう性を見極め、最終的には自分の判断で取引することが大切です。

根拠のない噂に惑わされたり、インフルエンサーやニュースサイトの情報を鵜呑みにしたりしないようにしましょう。

FXで損をしないためにすること

投資資金の2%を超えたら損切りする

損切りは損失を拡大させないために、一定の損失が出たらポジションを強制的に決済するルールです。

感情的に判断せず、投資資金の2%を超えたらするといったルールに基づいて実行することが重要です。

損切りを確実に実行するには、以下のような方法を取り入れてみましょう。

損切りラインをチャートに表示する

逆指値注文などの損切り注文を活用する

少額から始める

FXではいきなり大きな資金で取引を始めるのではなく、少額から取り組みましょう。

FXはレバレッジという仕組みの利用で、少ない自己資金で大きな利益を得られます。

しかし、レバレッジのために大損をしているとそもそもFXができなくなっていきます。

最近は1通貨(米ドルなら1米ドル)といった、小さな取引単位で始められるFX会社もあるので、1万程度の資金からFXをはじめていきましょう。

FXでは勝率100%はほぼ不可能で、失敗する経験も必要です。

損をしてもダメージの少ない金額で始めてスキルが上がってきたら投資額を増やすとよいでしょう。

セルフコントロールを身につける

FXでは常に冷静な投資判断を下せるように、セルフコントロールを身につけることが重要です。

為替相場が想定したとおりの値動きをしないで焦ったり、さまざまな情報で頭が混乱したりパニックになる場面もあるでしょう。

そのようなケースでも平常心を保ち、自分自身の判断で取引していかなければなりません。

勝ち負けにとらわれすぎず、自分の立てたトレードプランに沿って淡々と取引を実行しましょう。

週末や経済指標発表前はポジションを決済する

FXの初心者は週末や経済指標発表前は、ポジションを決済しておきましょう。

思わぬ大きな為替変動に巻き込まれて大損をしないためです。

週末に市場が閉鎖している間に予期せぬイベントが発生すると、週明けに相場が大きく動くのはよくあるケースです。

自分のポジションと反対に動いてロスカットされる危険もゼロではありません。

また、経済指標で予想と異なる「サプライズ」と呼ばれる内容が発表されると、相場が大きく反転するケースも頻繁に見られます。

いずれの場合も「朝起きたらロスカットされていた」といったことのないように、ポジションを決済するのが無難です。

FXで成功するためのルールづくり

そもそもFXでのルールはどのようなものがあるかを見ていきましょう。

資金管理のトレードルール

エントリーのトレードルール

利確・損切りのトレードルール

資金管理のトレードルール

トレードルールを設ければ適切な資金管理ができるようになります。例えば、大金を運用していると、大損をしたときに少額でトレードしていた時より損失が大きくなってしまいます。そこで「証拠金は5万円まで」というルールを作れば大損するリスクを防げます。

資金管理のトレードルールは「ロット数」「レバレッジ」「証拠金」「許容損失額」などの観点に注目して作りましょう。ロット数レバレッジなどに制限を設けると、損失を出しすぎるというリスクを無くせます。

エントリーのトレードルール

エントリーにルールを設ければ無駄にポジションを持って損失を増やすリスクを減らせます。

取引銘柄・リスクリワードの大きさ・エントリーの根拠にした手法・トレードする時間帯などにルールがあればエントリーがより慎重になるため勝率の向上につながるでしょう。

例えば、エントリーの判断材料になるのは「チャート分析(トレンドライン・ダウ理論・エリオット波動)」「インジケーター(移動平均線・ボリンジャーバンド・フィボナッチ)」「チャートパターン(三尊・ダブルトップ/ボトム・三角持ち合い)」があります。

それぞれの特徴を把握し、自分に合ったものを判断材料に選びましょう。

焦ってエントリーしてしまうことが多い方にとって、エントリーのトレードルールを作ることは非常に有効な対策になります。

自分のトレードを記録する

FXのトレードルールを作るためには、まず自分のトレードを記録するようにしましょう。トレードルールは自分の意思では改善しにくいような癖や感情的なトレードを矯正するためのものです。

自分のトレードの改善点を探すにはまず自分の特徴や癖を探す必要があります。そのために、トレードの記録をしてみましょう。下記は記録する内容の一例です。

日時

通貨ペア

ロット数

エントリーと利確または損切りの根拠

利益または損失と獲得した値幅

相場環境

エントリー価格と根拠、状況

利確の設定価格と根拠、状況

記録を表などにまとめておくと後で分析する時に見やすいでしょう。そして、継続して記録をつけましょう

記録を分析する

トレードの記録がある程度たまったら、分析してトレードルールを作りましょう。記録したトレードから自分の癖や傾向を分析して、それを改善できるようなルールを考えましょう。

まず、トレードが勝ちトレードか負けトレードだったのか判断します。以下の表を参考に、トレード結果を分析しましょう。

項目勝ちトレード負けトレード
ロスカット数少ない多い
勝率高い低い
リスクリワード比率高い低い

勝ちトレードと負けトレードに分類したら、それぞれの共通点を探しましょう。取引時の環境や、①で記録した項目などから分析するのがポイントです。

最後に、リスクリワードに改良の余地が無いか調べます。リスクリワードは、適切な資金管理をするための重要な指標です。損失や利益を細かく確認しましょう。

分析の例を挙げます。ボラティリティが大きい銘柄でトレードした時の損失が大きいということが分析できれば、「◯◯(銘柄名)はトレードしない」というルールを設ければ改善できます。ボラティリティの大きい銘柄はトレードが上達してから挑戦するといった判断もできそうです。

トレードルールを作る

「②記録を分析する」で分析した勝ちトレード・負けトレードの共通項を元にトレードルールを作りましょう。

ポイントは、ルールを複雑化しすぎないことです。トレードは毎回同じ状況ではありません。ガチガチにルールを決めてしまうと、なかなかエントリー出来なかったり把握しきれない可能性があるからです。

トレードルールの改善の仕方

ここでは、FXのトレードルールの改善の仕方について3つ紹介します。

過去の情報から追試を行う

デモトレードでする

トレードルールを改善するときの注意点

過去の情報から追試を行う

トレードルールを改善する際は、まず過去の情報から追試をしましょう。最初に、既存のルールで失敗の原因となっている部分や上手く機能していない部分を探します。

そこから、どうルールを変えるのか検討します。例えば、「インジケーターの設定値を変更する」、損切りが上手くいかなかったなら「損切り幅を変更する」などの変更が考えられます。

最後に、実際のトレードで変えたトレードルールを試しましょう変えた部分の影響を分かりやすくするために、前のステップの変更点以外の条件を変えない事がポイントです。

デモトレードで試す

失敗の原因を探し、ルールに変更を加えるまでは、前述と同じです。

その変更したルールをデモトレードで検証します。実際の資金が不要で、リアルトレードと同じ状況のトレードが出来ます。リスクを抑えたい人は、先にデモトレードで試すのもおすすめです。

デモトレードはこちらの記事をご覧ください!

デモトレードでFX体験!初心者が実際にやってみた感想と注意点まとめ – ちょいトレFX

トレードルールを改善するときの注意点

トレードルールを改善する際に、いくつかの注意点があります。

まず、「検証期間はランダムに選ぶ」ことです。値動きはいつも同じではありません。ファンダメンタル的要因などにも大きく左右されます。特定の時期だけ勝てても意味が無いので、なるべくランダムに広範囲の時期に検証しましょう。

そして、「ある程度検証できたら実践する」ことも大切です。検証には30~40トレードが必要です。しかし、それ以上の検証には意味がありません。

検証で勝てたら、速やかに実際のトレードで試します。実際の結果出たらさらに新たな改善をし、検証する、これをサイクル化していきましょう。

トレードルールは検証・改善を繰り返す

トレードルールを作った後もトレードの分析を続けてルールが機能しているかの検証と改善を繰り返しましょう。自分の分析に基づいて決めたルールが必ずしも機能するとは限りませんし、ルールに改善を加えた方が効率良くなることもあると思います。

また、トレードの記録を続ければ別のルールを加えた方が良いことにも気づけるかもしれません。

より利益を伸ばせるトレードをするためにもルールの改善・変更・追加は定期的に検討するようにするのがおすすめ。その際過去のトレード記録を使った検証が参考になります。

まとめ

FXで初心者が失敗するのは特別なことではなく、誰もが経験する共通の落とし穴です。

しかし事前に典型的な失敗行動と、その対策ルールを知っておくだけでリスクは大幅に減らせます。

特に資金管理・損切り・無理なロットを避けることは、長く続けるための必須条件です。

相場に挑む前に「守るべきルール」を自分なりに決め、それを実行する習慣を身につけましょう。
焦らず着実に経験を積むことが、結果的に勝ちに近づくもっとも確実な方法です。

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