FXを始めたばかりの方が必ず気になるのが「ロスカット」という仕組みです。
実際に取引をしていると、「証拠金維持率が○%を下回ると強制ロスカットされます」という注意書きを目にしたことがあると思います。
でも、初心者にとっては「証拠金維持率って何?」「結局どのくらいでロスカットされるの?」と疑問だらけですよね。
この記事では、ロスカットの基準と仕組み、そしてロスカットを避けるためのポイントを初心者向けにわかりやすく解説していきます。
ロスカットとは?
ロスカットとは、FX業者が投資家の資金を守るために強制的にポジションを決済する仕組みのことです。
FXは証拠金を担保にして大きな金額を取引できる「レバレッジ取引」なので、思った以上に損失が膨らむことがあります。
そのまま放置すると、最悪の場合、口座残高がマイナスになって借金のリスクも出てきます。
それを防ぐために、一定の基準を下回ったら強制的に決済して、投資家の資金を守る仕組みがロスカットです。
ロスカットの基準は業者によって違う
「ロスカットはどのくらいでされるのか?」という疑問の答えは、FX業者ごとに異なるというのが実情です。
一般的には、以下のように設定されています。
証拠金維持率が50%を下回ったらロスカット
証拠金維持率が100%を下回ったらロスカット
純資産額が一定水準を下回ったらロスカット
たとえば有名な国内業者の場合:
GMOクリック証券:証拠金維持率50%未満でロスカット
DMM FX:証拠金維持率50%未満でロスカット
SBI FXトレード:証拠金維持率50%未満でロスカット
つまり多くの国内業者では「50%」が基準になっているケースが多いです。
証拠金維持率とは?
では、「証拠金維持率50%」といわれてもピンと来ない人もいると思います。
証拠金維持率とは、現在の資産状況がどれくらい余裕があるかを示す指標です。
計算式は以下のようになります。
たとえば、
口座残高が10万円
ドル円1万通貨を取引するのに必要証拠金が4万円
今の含み損益を含めた有効証拠金が8万円
この場合、証拠金維持率は以下のようになります。
ロスカットの実例
50%でロスカット
DMM FXを例にします。
つまり、80%を切った時点で「危険信号」としてアラートが出て、50%を切るとアウトという流れです。
海外FX業者の場合
海外FX業者ではロスカット基準が低いこともあります。
「証拠金維持率20%以下でロスカット」という設定が多いのです。
これは一見トレーダーに優しいように見えますが、実際には「より深い含み損を抱えてしまいやすい」というリスクもあるので注意が必要です。
5. ロスカットを避けるためのポイント
ロスカットは資金を守る仕組みとはいえ、トレーダーにとっては「強制退場」です。
せっかくの戦略が水の泡になってしまうので、できる限り避けたいものですよね。
そのためのポイントを紹介します。
レバレッジを抑える
最大25倍までかけられるからといってフルレバレッジで取引すると、少しの値動きでロスカットラインに近づきます。
安全に取引するなら「実質レバレッジは5倍以下」に抑えるのが理想です。
余裕資金を多めに入金しておく
証拠金維持率は「余裕資金が多いほど下がりにくい」です。
ロスカットを防ぐには、取引口座にある程度の資金を入れておくことが大切です。
損切りを徹底する
「ロスカットされる前に自分で損切りする」ことが、資金管理の基本です。
含み損を放置すると気づいたら証拠金維持率が50%を切って強制ロスカット…という最悪の展開になりかねません。
経済指標の前はポジションを減らす
雇用統計やFOMCなどのイベントでは相場が一気に動きます。
含み損が急拡大してロスカットされることもあるので、イベント前にポジションを小さくするのも有効な対策です。
ロスカットに関する誤解
初心者の方がよく持つ誤解も整理しておきましょう。
ロスカットに対しての勘違いを解いて、トレードに取り入れていきましょう
まとめ
ロスカットの基準はFX業者ごとに異なりますが、多くの国内業者では「証拠金維持率50%」が目安になっています。
FXで長く取引を続けるためには、「ロスカットを避けるための資金管理」が最重要です。
一度強制ロスカットを経験すると大きな損失になることが多いので、日頃から証拠金維持率をチェックする習慣をつけましょう。