FXの為替市場と株式市場は相関関係がある?リスクオン・リスクオフとは?

FXの世界を学んでいると、「株式市場と為替市場は関係している」という話を耳にすることがあります。
確かに株価が大きく動くと、為替相場も影響を受ける場面は少なくありません。

その背景にあるのが「リスクオン・リスクオフ」という投資家心理の変化です。

これは世界中の投資家がどの資産に資金を振り向けるかを示す重要な考え方であり、相場の大きな流れを読むヒントになります。

本記事では、為替市場と株式市場の相関関係、そしてリスクオン・リスクオフの意味を分かりやすく解説していきます。

為替市場と株式市場の基本

まず、FXの為替市場と株式市場の違いを整理しましょう。

為替市場は「通貨の交換」を対象とする世界最大の金融市場で、24時間取引が行われています。

一方で株式市場は「企業の株を売買する市場」で、取引時間が限られています。

両者は対象が異なるものの、世界中の投資家が資金を動かしているため、互いに影響を与え合っています。

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相関関係とは?

投資の世界でいう「相関関係」とは、ある資産の価格変動が別の資産とどの程度連動するかを表すものです。

例えば「米国株が上昇するとドル円も上がる」といった動きが見られる場合、それは正の相関関係にあるといえます。

逆に「株価が上がると円高になる」ように、逆方向に動く場合は負の相関と呼ばれます。

リスクオン・リスクオフとは?

ここで重要な考え方が「リスクオン・リスクオフ」です。
投資家は常に「リスクを取ってリターンを狙う」か「安全資産に避難する」かを判断しています。

リスクオン:世界経済や市場環境が安定しているとき、投資家は株式や新興国通貨などリスク資産に資金を移します。このとき、ドル円やクロス円は上昇しやすくなります。

リスクオフ:逆に、地政学リスクや景気後退懸念が高まると、安全資産とされる円や米国債、金などに資金が流れます。そのため、株価は下落し、円高になりやすい傾向があります。

為替と株式の代表的な関係

  1. 株高=円安の関係
    日本の株価(特に日経平均)は、ドル円の為替レートと密接に関係しています。円安になると輸出企業の業績が良くなるため、株価が上がりやすくなります。
  2. 米国株とドルの動き
    米国株が堅調だと、ドルへの信頼感も高まりやすく、ドル買いにつながることがあります。反対に、米国株が大幅に下落するとドル売りが進むケースもあります。
  3. 新興国市場と資源国通貨
    リスクオン局面では、新興国株や資源国通貨(豪ドル、カナダドルなど)が買われる傾向があります。逆にリスクオフ時には真っ先に売られるのもこれらの資産です。

相関が崩れることもある

注意点として、相関関係は常に固定されているわけではありません。
例えば、同じ株安局面でも「米国景気が悪化してドル安になる場合」と「リスク回避でドルが買われる場合」があります。
つまり、相関関係はあくまで「その時点での市場心理」によるものだと理解しておくことが大切です。

FX取引への活かし方

FXトレーダーにとって、株式市場の動向を把握することは有効な武器となります。

日経平均株価とドル円の動きをセットで確認する

米国株(特にNYダウやS&P500)の急落が為替に波及するかを観察する

VIX指数(恐怖指数)や金価格の動きからリスクオン・オフを判断する

これらを組み合わせることで、ただチャートを眺めるよりも根拠あるトレードが可能になります。

まとめ

為替市場と株式市場は、リスクオン・リスクオフという投資家心理を通じて密接に関わっています。

株高のときには円安、株安のときには円高に動きやすいという傾向は、トレーダーにとって重要なヒントです。

ただし、その相関関係は常に固定ではなく、市場環境によって崩れることもあります。

株式市場やリスク指標をチェックすることで、より精度の高いFX取引ができるようになるでしょう。
短期的な値動きに惑わされず、大局的な相関を意識することが成功のカギです。

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